
環境変化の激しい中、企業の維持・発展のために行う様々な施策の選択は、経営における重要な意思決定のひとつです。
どのような施策を実行すべきか、あるいは実行すべきではないか、その判断基準は主観的なものではなく、根拠に基づく客観的なものでなければいけません。
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営業利益率とキャッシュフローへの影響
どのような施策であっても、直接、あるいは間接的に営業利益率を上げるものが求められます。売上高が下がり基調であれば、最低でも維持できる施策が必要です。
施策の結果、営業利益率が下がってしまうということは、儲けるための施策が会社の利益を圧迫するということです。
また、営業利益と並んで考えるべき基準はキャッシュフローです。いくら営業利益率が上がったとしても、キャッシュフローが悪くなるなら経営が苦しくなります。
施策の妥当性は、損益計算書上の利益と資金繰りの両面から検討されるべきだということです。
適切な意思決定のための原価と資金の可視化
施策の見込み精度を高めるためには、原価とキャッシュフローを把握しておく必要があります。
原価管理による収益性の担保
製造業や飲食業などの加工を伴う業態では、原価の把握が不可欠です。
原価率の変動を把握するすることで、利益を担保するために必要な販売量や価格設定を導き出し、データに基づく最適な仕組みづくりを可能にします。
それぞれの事業や商品の原価は、損益計算書を見てもわからないため、別途算出する必要があります。
キャッシュフローの動態把握
売上高が上がるということは、現金取引ではない限り売掛債権も増えることになります。また、外注費や人件費の増加が先に発生するケースも多いでしょう。
このように、損益計算書上では問題がないように見えても、資金繰りの面では負担が大きくなることがあります。したがって、施策を検討する際には、キャッシュフロー(キャッシュインとキャッシュアウトのタイミング)まで確認しておく必要があります。
利益率を踏まえた手法か
販売促進や新規商品開発など、売上を上げるための施策は様々です。たとえば、専門家を呼んでアイデア出しのワークショップを行うといったことは、楽しんで参加できますし、効果もありそうな気がするかもしれません。
しかし、それで考えた商品は、企業全体の利益率を下げない水準の原価率に収まることが見込まれるでしょうか。
検討したアイデアに対しては、実際に試算が必要です。変動費、固定費はいうまでもありませんが、代金の回収可能性や回収サイトについても検証が必要です。
単なる面白いアイデア出しで終わった、といったことにならないためには、見込める数字の裏付けが必要です。それを無視した施策は、企業の収益にとってマイナス要因になってしまいかねません。
最後に
具体的な施策を検討する際、判断基準があいまいだと何となくの判断しかできません。
営業利益率の向上が見込まれるのか。かえってキャッシュフローが悪くなるようなことはないか。施策の良し悪しは数字で判断すべきです。
その判断を行うためにも、現在の原価とキャッシュフローの状況を客観的に分析し、把握する必要があります。
以上、参考になれば幸いです。



