変化の激しい時代はベンチャー起業家に倣う

「うちもやらないといけないと思っている」ことは、「今すぐやることリスト」「次にやることリスト」あるいは「結局やらないリスト」のいずれにあるでしょうか? ベンチャー起業家の考え方は「やらないといけないと思っている」ことは今すぐやるリストに入っています。

むしろ、すでに実行しているかもしれません。なぜなら、ベンチャー起業家にとって変わることが当たり前だからです。

変化の激しい時代に必要なこと

多くの経営者様が、変化が激しく、先が見えない経営環境であるという感覚を持っていらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、経営者様の全員が、実際に変化の激しい時代に対応しようとしているということではありません。

大きな要因として、以下が挙げられます。

  • 抽象認識止まり
  • 成功体験への依存
  • 現状維持バイアス

環境変化を認識しているものの、自社のビジネスモデルへの影響やその対応まで具体化されていない状態というケースが多いのではないでしょうか。

理由として以下の2点が考えられます。

  1. 今までと同じ考え方、同じあり方、同じやり方を維持していれば、経営状況は大きく変わらないと考えている。
  2. 影響が具体化されていないので、変化への認識や危機感をも具体的な行動まで達していない。

言うまでもなく、実際には環境の変化の大きさに応じた変化が必要です。

例えるなら、目的地まで徒歩で移動していたところを、もっと早く着かなければいけなくなったので、早歩きで行くといったことではなく、自転車や車といった大きな変化が必要にもなりうるということです。

余談ですが、ここで一番やってはいけないのは、早く到着しなくてはいけないなら速く走るということです。負担が増えるやり方では限界が早く来てしまいますので、可能な限り負担を増やさずに望んだ成果を得ることができる方法を検討する必要があります。

ベンチャー起業家の特徴

一般的にベンチャー起業家と聞くと以下のようなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

  • 決断が速い
  • 行動が速い
  • 失敗を恐れない

それは、変化を前提にしているため、前例がないことが当たり前で、完璧を待たないからです。

それに対して承継者は既存の顧客や従業員といったステークホルダーへの責任を背負った状態で経営者という立場となり、ゼロからのスタートであるベンチャー起業家とはその点が大きく異なります。

立場が異なる以上、視座が違うことは当たり前なんですが、行動を変えることはできるはずです。

必要なのは課題設定と行動

変化の激しい時代においては、前例のない、変化を前提としたベンチャー起業家の行動様式が大いに参考になります。

変化を機会と捉える

自社が変わることを望まないのであれば、不確実性の高い環境変化は脅威でしかないかもしれません。しかし、ベンチャー起業家は環境の変化が大きいほど、ビジネスの機会と捉えています。

外部環境への感度が高い

環境変化を機会と捉えているなら、機会を逃すまいと必然的に環境変化への感度は高くなります。

環境変化を脅威、あるいは自社には関係がないと思っていたら環境変化への対応は遅れるため、機会と掴むことも、脅威を避けることも難しくなります。

変化が当然だと考えている

「今までうまくいっていた」は今後もうまくいくことを保証しません。繰り返しますが、経営環境が大きく変わると条件が変わるからです。そのため、常に改善余地を探します。

安定を目指すと変化に遅れますが、常に変化できれば変化に適応できる可能性が高まります。

意思決定が速い

変化が大きく、また早い状況においては、必要な情報が100%揃うのを待つことをせず、不完全な情報の中で仮説を立てて、決断します。

変化の時代においては、「遅い正解」よりも「早い修正」の方が価値を持ちます。

小さく試す

現状よりも大きく変化することが求められるといっても、いきなり大きく変えるのはリスクが大きいです。

そのため、最初から完璧を目指さずに、小さな試行(行動 → 検証 → 修正)のサイクルを繰り返します。

最後に

「やらないといけないと思っている」ことを実行しないというのは辻褄がありません。「思っている」ならすぐに行動する以外の選択肢はないはずです。

変化の激しい時代においては、今までのペースは最適ではありません。必要なのはベンチャー起業家のような素早い決断と素早い行動です。

あくまでもベンチャー起業家のマインドセットではなく、行動様式ですので承継した経営者の方々でも可能なはずです。

以上、参考になれば幸いです。

執筆者:
待谷 忠孝(中小企業診断士)

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