2種類のエラー

事業をやっている上で何らかのエラーは避けられません。
起こって欲しくないものですが、避けられない以上は何らかの対策が必要です。

アメリカの認知科学者であるドナルド・ノーマンによると、エラーは大きくスリップとミステイクの2種類に大別できるとのことです。

スリップ

入力のミス、文字の打ち間違いといった、正しい作業ができなかったことで引き起こされるエラーがスリップです。

人為的なミスというのはゼロにすることはできません。
「気を付けろ」と注意することは必要ですが、効果としては期待できないでしょう。

他者によるチェックを行うことでスリップを見つけるようにすることが対策の一つとして挙げられますが、人手をかける価値がある作業なのかという点を考慮する必要があります。

正しい作業ができない原因を究明し、スリップを減らすように努めるのは当然なのですが、その上で、スリップが起こった時にいち早くリカバリーするということが現実的な対策かもしれません。

ミステイク

ノーマンは意図そのものが間違っている行為を実行することをミステイクとしています。
加えて、ミステイクはスリップよりも重大になることが多いと述べています。

例えば、業務の手順ややり方を間違って解釈していると、本来行うべき行動を取ることができません。

マニュアル化をせず、口頭で説明をしただけだとこういったことが起こり得ます。
ミステイクをした人間を責めるのは簡単ですが、マニュアル通りに行動すればミステイクは起こりえない訳ですから、原因を作っているのは作業者ではなく、企業側だとも考えられます。

IT化によるエラーの回避

エラーの発生原因が人間であるならば、二重三重のチェックを行うことでエラーの発生確率を下げることはできますが、効率という点では悪くなってしまいます。
機械化、自動化、IT化といった手段で人間の関与を減らすことができるのであれば一考の余地があるでしょう。

しかし、人間が機械やITシステムに無理して合わせなければいけないようなインターフェイスや、システムの設計をしている場合は、逆にそれらがエラーの発生原因にもなりかねませんので注意が必要です。

最後に

エラーを減らすためには、まずは相応の業務設計が求められます。

作成して以来、全く更新していないマニュアルや、現在の業務フローも更新すべき見直しの余地はないでしょうか。

以上、参考になれば幸いです。

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