日にち薬では治らない

主に東海地方~中四国地方で使用されている言葉で「日にち薬」というものがあります。
けがや病気が時間の経過とともに治るといった意味で使用されます。

問題を抱えていない企業は存在しません。
しかし、企業の問題の多くは日にち薬では解決しません。

なんてことはご周知のとおりですが、問題解決のために具体的な施策が打てず、問題がどんどん積み上がっていないでしょうか。

問題とは

問題とは現状とありたい姿のギャップです。

問題と聞くと望ましくないものというイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、必ずしも望ましくないことばかりではありません。
現状が良い状態であっても、より良い状態をありたい姿だと設定しているのであれば、現状とギャップがある訳ですのでそれは問題となります。

さて、問題には2種類あります。
解決しなければ状況が悪くなるものと、解決することで前に進むもの(解決しないと前に進めないもの)です。
前者はマイナスをゼロにするもので、前者はゼロからプラスも目指すものだと捉えることができます。

マイナスからゼロを目指すもの

時間の経過とともに傷口が広がりかねませんので、可能な限り早く解決したい種類の問題です。
とはいうものの、企業は複数の問題を抱えているのが一般的で、優先順位をつけて解決していかなくてはいけません。

基本的に、問題と考えられるものをピックアップしたら、インパクト(ダメージ)の大きさと緊急性を縦軸、横軸にしたマトリクスにします。
インパクトが大きく、緊急性が高い問題を再優先に取り組みます。

問題に対して、まず解決方法を考えようとしがちですが、それではおそらく適切な回答は得られません。
まずは現状とありたい姿のギャップ(=問題)を明確にしたうえで、ギャップを埋める方法を検討する必要があります。

ゼロからプラスを目指すもの

取りあえずゼロ(現状維持)ができれば良いと考えているなら、非常に危険です。

外部環境や顧客の状況は常に変わっています。
そのため、行動が現状のままだと売上が減少する可能性が常にあります。
したがって、現状の売上を維持しようとしても、維持できない可能性があります。

また、頑張っている従業員にしてみると、目標が低いとモチベーションに関わる可能性があります。

目標設定如何によって問題が発生し得るという認識を持っておく必要があります。

最後に

2種類の問題の内、マイナスからゼロを目指すものの方が問題として認識しやいでしょう。
ゼロからプラスを目指すものは、問題自体に気づかないまま状況が悪化しているといった危険性があります。

問題は現状とありたい姿のギャップである以上、企業の経営において常に問題というのは発生するもので、それ自体は悪いことではありません。
しかし、問題は日にち薬では治りませんので、優先順位をつけて解決に取り組む必要があります。
問題を解決することが企業としての前進ですので、諸々の専門家、サービス提供事業者、公的機関など積極的に活用されてはいかがでしょうか。

以上、参考になれば幸いです。

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