怒ると叱る②

熊本県八代市の私立秀岳館高サッカー部の男性コーチが、同部の男子生徒に暴行を加えるという事件が起き、その様子を撮影した動画がニュースなどでも報じられました。

こういった話になると「暴力は駄目だ」となってしまいがちですが、暴力の是非の話になってしまうとものごとの本質からずれています。
暴力でなければ構わないのか、ということになってしまうからです。

教育の場において求められることは教育や指導です。
しかし、この件では、単に個人の感情をぶつけているだけですので、仮に暴力でなく言葉によるものであったとしても、意味がなく、また許されることではありません。

企業活動における教育や指導に置き換えて考えてみましょう。

怒ると叱る

企業の活動において、上司が部下を指導する場面や指示を出す場面は日常茶飯事です。
それらに対して、望んだ結果が返ってこなかった場合、怒りの感情が湧き(これ自体は仕方がないとして)、その感情を相手にぶつけるのは単に怒っているだけです。
その言動や行動がパワハラにもなりかねません。

望ましい結果を出して欲しいというゴールは同じであっても、単に感情をぶつけるものではなく、相手を悟すための言動が上司の側に求められることです。

怒られると叱られる

対して部下の側がどう受け取るかは個人差があるかもしれません。

しかし、少なくとも単に感情をぶつけられているだけだと思われたら、叱られているのではなく、怒られていると受け取る可能性が高いのではないでしょうか。

そうなると、単にその場だけ謝るだけか、委縮するか、仕事や会社に対してモチベーションが下がるか……いずれにしても望ましい結果にはならないでしょう。

最後に

以上のことをまとめると以下の表になります。

上司
怒る 叱る
部下 怒られてる × ×
叱られてる ×

上司側が叱り、部下側が叱られているという認識でないと、望ましい結果は得られないということにならないでしょうか。

感情任せになって怒っている時点で、上司側は自分がただ感情をぶつけているだけだと自覚ができない可能性が高いです。

管理者、指導者が部下を怒っている場面を目撃したのであれば、怒るのではなく叱るように指示、指導できるかもしれませんが、毎回都合良くそんな場面を目撃することも難しいでしょう。
したがって、管理者、指導者に対して定期的な啓発を行う必要があるのかもしれません。

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