怒ると叱る

「怒る」と「叱る」……これらは似ているように思うかもしれませんが、明確に違うものです。
「怒る」と「叱る」の区別をつけていらっしゃるでしょうか?

怒る

「相手を怒る」というのは、あくまでも自分本位で、相手に対して何かを要求しているというよりも、自分のストレス、フラストレーションといった負の勘定を相手にぶつける行為です。

以下は盛岡の小学校であったことの記事です。

「先生が怖い」小1の息子が不登校に 父が教室で見た担任の言動

「特別支援学校に行きなさい」「保育園、幼稚園に戻りなさい」と言ったとのことでが、実際にこんなことはできません。
ですから、これは指示でも助言でもなんでもありません。

「怒る」という行為は単に感情をぶつけているだけですので、起こっている人も相手に対してどうして欲しいというゴールがありません。

怒られた側には負の感情が蓄積される、委縮する、モチベーションが下がるといったように、相手を怒ったところで望ましい結果にはならないでしょう。

叱る

「相手を叱る」というのは、相手をより良い方向に導く、促す、諭すといったことを目的として、注意やアドバイスをすることといえるでしょう。

「怒る」は感情をぶつける行為なので「優しく怒る」ことはあり得ませんが、「叱る」は単に感情をぶつける訳ではないので、「優しく叱る」ということもあり得ます。

機嫌が悪くて人に八つ当たりするということも含めて、感情のままに従業員を怒るのは論外です。
しかし、昨今は何かあればすぐにパワハラだと言われかねませんので、「叱る」ということにも注意が必要かもしれません。

例えば、人前で叱らない、理由をちゃんと伝えた上で叱る、感情を排する、いつまでも叱らないといったことが考えられます。

感情を一切排するのは難しいかもしれませんが、叱っている内にだんだん感情が高ぶって、怒ってしまったら意味がありません。
特に、いつまでもネチネチ言うタイプの人は、「叱る」ではなく「怒る」になっている可能性があります。

最後に

従業員の方々にやらされ感ではなく、能動的、自発的に行動していただくためには、ミスやトラブルに対して「怒る」ではなく「叱る」必要があるのではないでしょうか。
単に感情をぶつけられ、負の感情を抱いた状態で、能動的に働くのは難しいと考えられるからです。

さて、「怒る」と「叱る」との区別をちゃんとつけていらっしゃるでしょうか?
「怒る」と「叱る」の区別がついていない管理職の方はいらっしゃらないでしょうか?

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