カサンドラの呪い

カサンドラはギリシア神話に登場するトロイの王女です。
神様であるアポロンに美貌を見初められ、恋人になる代わりに未来を予言する能力を授かりました。

しかし、その能力を得た瞬間にアポロンが自分を捨てる未来が見えてしまったため、アポロンを拒絶してしまいます。
怒ったアポロンは、カサンドラの予言を誰も信じないという呪いをかけてしまいます。

その後、トロイとギリシア勢との戦争が起きた際に、未来を予言して父であるプリアモス王に警告をしたものの、アポロンよってかけられた呪いによって信じてもらえず、トロイは滅亡することになります。

凝集性が高い組織

凝集性が高い組織というのはどういったイメージでしょうか?
メンバー同士の結束力が高まることで、1+1が3にも4にもなっていて、組織全体で高い成果を得ることができる良い組織だと感じる方も多いかもしれません。

しかし、組織の凝集性は必ずしも良い結果ばかりを生みません。
結束が強く、皆が同じ方向を向くが故にマイナスに働くこともあります。

凝集性が高いデメリット

凝集性が高いと、多様な意見が存在しづらくなってしまい、その結果として視点や考え方が単一化しやすくなります。
さらに外部との壁を作りやすくなる傾向もあり、そうなると外部からの批判的な意見を受け入れなくなってしまいます。

設備の点検を怠っていて大きな事故を起こしてしまった企業のニュース、企業活動においてコンプライアンスに問題のある行動を取っていた企業のニュースは特に珍しいものではありません。

組織は結成されてから時間が経つほどに組織の分化や風土が形成され、強固なものになっていきます。
組織に合わない人間は去り、同調によって同じ属性の人間の割合が高くなったことで、仮に組織の中で警鐘を鳴らす人がいたとしても、アポロンの呪いによって誰にも予言を聞き入れられなくなったカサンドラのように、誰にも聞き入れられない状態になってしまう危険性があります。

最後に

凝集性の高い組織の悪い面を取り上げましたが、凝集性が高いのが良くないということではありません。
むしろプラスの面の方が多いと考えられます。

しかし、凝集性が高いが故のマイナス面が存在し、自分たちではなかなか気づきづらいということを認識したうえで、内部からの意見を言いやすくする、あるいは吸い上げやすくする仕組みづくりや、外部の意見を定期的に聞きいれるといった対応を行う必要があるのではないでしょうか。

以上、参考になれば幸いです。

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