貴金属と卑金属の価格

人類が最も利用し、その恩恵を受けている金属と言えばやはり鉄でしょう。
しかし、鉄、アルミニウム、鉛といった卑金属と金、銀、プラチナといった貴金属の価格を比較すると、貴金属の方が価格が高いことが一般的です。
その理由として、役に立つ、立たないということではなく、貴金属の方が卑金属と比較して貴重だから、とお考えになるのではないでしょうか。

さて、ありふれたものよりも貴重なもの方が価格が高いと分かっているのに、事業になると他の人と同じことをしていませんか?
買い手から見てありふれている、言うなればコモディティ化した商品・サービスは高い価格で売ることはできません。

圧倒的な業界トップの企業が物量で攻めるのでしたら、コモディティ化した商品・サービスで高い収益を上げることもできるかもしれまえんが、通常の中小企業であればコモディティ化が避けたいところです。

コモディティ化を避けるべき理由をご説明いたします。

収益が低い

価格設定の問題

同じスペック、同じ機能の商品A・Bがあって、Aは10,000円、もう片方のBは11,000円で売っていたらどちらを買うでしょうか?
一般的には10,000円のAを選択するでしょう。
同じ価値であるなら、より安い方を選択するのが合理的だからです。

このように、買い手に提供する価値が競合と変わらない状態で競合よりも高い価格設定をしたら、競合の商品・サービスを選択されてしまうだけです。
そのため、同条件で販売する以上、競合より高い価格設定をするという選択肢を取りにくくなります。

逆に、安い価格を設定することは可能です。
しかし、競合もチャンスを逃すまいと同価格に設定する、あるいはやや低い価格設定をした結果、価格競争になってしまうでしょう。

費用の問題

売上は客数×客単価ですから、単価を上げられない以上、販売数を増やすということになります。

そのために営業活動や宣伝広告といった販売促進のための活動をすることになりますが、価値が同じ、価格も同じであれば、訴求するポイントも競合の商品・サービスと差をつけづらいことは言うまでもありません。

必然的に販売促進の競争になって、コストが増加することになってしまいます。

規模の大きな企業が有利

基本的に規模が大きい企業ほど、規模の経済性を発揮できるために諸々のコストが下がりますので、価格が同じであっても利益は大きくなります。
利益を生産効率向上や宣伝広告に投資することで、ますます優位性の維持、拡大を図ることができます。

つまり、強者はより強者になる可能性があるため、弱者は常に不利な勝負をすることになってしまいます。

競合の動向に左右されやすい

前述したようにコモディティ化した商品・サービスをより売ろうと思ったら、価格を下げるか、販促コストを増やすかということになります。

自社は価格を下げたくないと思っていても、競合が価格を下げた場合は、同様に価格を下げざるを得ない状況になりえます。
自社はこれ以上販売促進費を増やしたくないと思っていても、競合が販売促進に力を入れた場合は、やはり販売促進費を増加して対応しなくてはいけなくなることもありえます。

その結果、収益の低下と引き起こします。

最後に

繰り返しになりますが、ありふれたものは高い価格で販売できません。
店舗型の事業であれば、店舗立地の利便性という付加価値を付与できますが、好きな場所に店舗を構えることがいつでもできる訳ではありません。
ましてや、無店舗型の事業となると立地というものは関係なくなります。

貴重だから高い、いくら役に立つものであっても、ありふれているから安いということはすでにご存じな訳です。
したがって、コモディティ化した商品・サービスを取り扱っているのであれば、可能な限り早く差別化してありふれたものから脱することをお勧めいたします。