経営者と実務者の視点のバランス

企業規模や事業内容によっては、経営者の方であっても従業員の方々と同じ業務を行っているケースも多々あります。
例えば、美容院や人を雇用している士業の事務所であれば、経営者としての業務と実務者としての業務の両方を行っていることが多いのではないでしょうか。

経営者としての視点と実務者としての視点の両方の視点が必要です。
必然的に、双方の視点のバランスというものが重要になります。

技術があればやっていけるのか

うちは技術があるからやっていけると考えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、事業をやっている企業・事業者の方々はすべからく必要な技術を備えています。
顧客の要望に応えるだけの技術があることは必要条件ですので、水準以上の技術があることは当たり前といえます。

案件に対応できる技術があればというのは、案件を受注した後の話です。
まずは業務を行う技術があればやっていけると思っているのであれば、もっと経営者としての視点に比率を置くべきかもしれません。

特に、コモディティ化している業界であれば、どこに依頼をしても(どこが作った製品も)一定以上の水準をクリアしている状態です。
買い手の要求をクリアできる以外の優位点がなければ、価格勝負になってしまいます。

経営者としての視点

仕事というのは部屋のすみっこの埃のようにいつの間にかそこにあって、それをこなすことができれば口座に代金を振り込んでもらえると思っている方はいないでしょう。
しかし、業務を行うことができる技術があればやっていけると考えているのは、考え方として近いものがあるのではないでしょうか。

  • 世の中はどう変わっていくのか。
  • 誰をターゲットにするのか。
  • 環境の変化に応じてターゲットの需要はどのように変わっていくと考えられるのか。
  • 競合の動向はどのように見込まれるのか。
  • それらに対して、自社はどのように対応していくのか。

……といったような、事業レベル、企業レベルといった高いレイヤーでの視点を持ち、高いレイヤーで検討することが、経営者には求められます。

経営者としての視点を持つには

一言で言えば、レイヤーを上げましょうということになります。
具体的な答えをいきなり求めるのではなく、抽象度の高い視点から低い細かい視点に徐々に移っていくようにされてはいかがでしょうか。

例えば、現在2億年の売上を5年後には3億円に上げたいという目標があったとします。
Youtubeが流行っているからYoutubeでのプロモーションに取り組んでみようか、内容は……といった具体的なことを考えるのではなく、市場環境・市場動向を鑑みて、既存の事業(商品・サービス)はさらに1億円の売上アップの余地があるのか。
あるとしたら、売上アップのためのターゲットは誰なのか。
余地がなければ、新規商品を開発するのか、新規事業を行うのか。

……といったように、抽象度の高い視点から考えるようにすれば、高いレイヤーと低いレイヤーの視点の移動が自然にできるようになるかと思われます。

最後に

いきなり具体的なことを考えても、当を得た対策ができる確率は低いでしょう。
目の前の仕事は重要ですが、それは従業員の方にやっていただくことは可能です。
高い視点、広い視座で、自社を含めた経営環境全体を見渡しつつ、意思決定をすることが経営者に求められることです。

最初に述べた通り、自身も実務者としての業務を行う必要があれば、「今は経営者としての見方、考え方が必要」「今は実作業者としての見方、考え方が必要」といったように、それぞれスイッチを切り替えることを意識されるところから始められてはいかがでしょうか。