定義の話

世界5大ウィスキーといえばスコッチウィスキー、アイリッシュウィスキー、アメリカンウィスキー、カナディアンウィスキーそしてジャパニーズウィスキーです。
日本洋酒酒造組合では、ブランド価値の棄損を防ぐためにジャパニーズウイスキーの明確な定義を定め、2021年4月1日から運用を始めるとのことです。

ジャパニーズウィスキーを名乗るための要件として以下を挙げています。

  • 原材料は、麦芽、穀類、日本国内で採水された水に限ること。
    なお、麦芽は必ず使用しなければならない。
  • 糖化、発酵、蒸留は、日本国内の蒸留所で行うこと。
    なお、蒸留の際の留出時のアルコール分は 95 度未満とする。
  • 内容量 700 リットル以下の木製樽に詰め、当該詰めた日の翌日から起算して3年以上日本国内において貯蔵すること。
  • 日本国内において容器詰めし、充填時のアルコール分は40度以上であること。
  • 色調の微調整のためのカラメルの使用を認める。

その他、今回は飲食物に関する様々な定義をご紹介します。

ビール

ビールそのものは、紀元前3600年頃にはすでにメソポタミアやエジプトでは飲まれていたようです。
1516年に現在のドイツ南西部からオーストリアにかけて存在していたバイエルン公国において、「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」というビール純粋令が制定されました。

我が国においては、麦芽の使用量やそれ以外の原料の割合によって「ビール」「発泡酒」「第三のビール」と別れています。

ビールは麦芽を一定以上の割合で使用することと、使用可能な副原料も決まりがありました。
発泡酒は麦芽の割合の指定はありません。
第三のビールは麦芽を使用することが必須ではなく、言うなればビール風アルコール飲料といったところでしょうか。

2018年4月の酒税法改正でビールの定義が変わり、それまで67%以上と定義されていた麦芽の比率が50%以上となり、使用可能な副原料が大幅に拡大されました。
(参考)https://www.kirin.co.jp/entertainment/daigaku/ZMG/dst/no108/

それによって、今までビールに分類されていなかった輸入ビールがビールに分類されるようになることと、何よりもクラフトビールが発展することで今までにはなかったタイプの様々なビールが作られることになるでしょう。

スパゲッティ

昨今どういう訳か、スパゲッティのことをパスタと呼ぶ人が多い印象です。
実際に、パスタはスパゲッティの新しい呼び方だと誤解している人も多いでしょう。
パスタという言葉自体が日本に入ってきたのが特に最近というわけではないのに、なぜそう誤解している人がいるのかということは謎ですが、いずれにしても主題から外れますのでそこには触れません。

さて、ざっくりとした言い方をすると、パスタとはスパゲッティ、マカロニ、ラザニアといった小麦を主原料とした食べ物の総称で、その種類は全部で650種類以上あるそうです。
さらにロングパスタとショートパスタに分けられ、スパゲッティはロングパスタの中の1種類となります。

スパゲッティは太さ約1.6mm~1.9mmが該当します。
1.2mm~1.6mmの太さのものをスパゲッティーニ、1.0mm~1.1mmの太さのものをカッペリーニ、逆にスパゲッティよりも太い直径2.0~3.0mmのものはブカティーニというものになります。
料理番組などで「今回は細めの1.4mmのスパゲッティを使用します」というのはおかしいということですね。

しかし、イタリアのメーカーも日本に輸出するロングパスタのパッケージは総じてスパゲッティ(spaghetti)と表記していることが多いようです。
確かにイタリア料理の専門家でもないと、なかなか区別がつかないかもしれません。

野菜と果物

野菜と果物は特に学術的には区別されていません。

農林水産省では、1年以内で収穫される草本植物は野菜、概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを「果樹」としています。

つまり、農林水産省の基準だと、一般的に果物に分類されることが多いイチゴ、スイカ、メロンは野菜に分類されることになります。

ちなみに、スイカやメロンはウリ科に分類されます。
他にも食用にするウリ科の植物にはキュウリ、カボチャ、ズッキーニといったものがあり、一般的には野菜に分類されるものばかりです。

イチゴはバラ科に分類されますが、バラ科の植物にはリンゴ、桃、スモモ、梨、ビワ、桜、梅といったように、果物に分類されるものばかりなので、ちょっと違和があるかもしれません。

これらは、あくまでも農林水産省の基準です。
関税の関係で定義が変わる可能性もありますので、ご了承ください。

最後に

普段意識しないことでも、定義を見直すと意外に思うことがあります。
いくつかご紹介しましたが、よろしければ、話の種として使ってください。