時間の使い方

西暦1世紀ごろのローマ帝国の哲学者であるセネカは、著作『人生の短さについて』で以下のように述べています。

“我々が手にしている時間は決して短くはない。 むしろ我々がたくさんの時間を浪費している。”

つまり、セネカは時間そのものではなく、時間の使い方の大切さを述べています。

時間とは

一般的に経営資源はヒト(人的資源)、モノ(物的資源)、カネ(資金)、情報(ノウハウをはじめとした無形資源)を指しますが、これらは失っても(難易度はともかく)取り戻すことができるものです。

しかし、過ぎ去った時間は取り戻すことができません。

さらに、時間は全ての人にとって平等に過ぎるものです。
人によって時間の進み方に違いはありません。

同じ期間で大きな成果を上げることができるということは、同じ1時間、同じ1日、同じ1年間であっても効率的に使用しているということになります。

つまり、成果の差は時間内の行動の差といえるでしょう。

中小企業と大企業の時間の使い方の違い

中小企業と大企業では経営資源に大きな違いがありますので、同じ時間でも生み出せる付加価値の量は異なります。

しかし、中小企業と大企業の違いは経営資源だけではありません。

仕組み化と属人化

大企業は仕組み化ができている、あるいは仕組み化ができているから規模を大きくできるのか、これは卵が先か、鶏が先かといった話ですが、仕組み化やマニュアル化によってそもそも判断自体を不要にして、誰がやっても同程度の成果を出せるようにしています。

それに対して中小企業の場合は、個人の経験や勘に依存しがちで、人によって成果に差が生じやすくなります。

リソースの使い方

大企業は自社で保有する必要のないノウハウが必要なことは外注、専門家の活用をするものの、中小企業は自分で全部やろうとする傾向が強いです。

そのため、ノウハウのないことに時間が割かれる、またノウハウがないために進まないといったことは日常的に怒っていることです。

意思決定の構造

大企業は多層承認で遅く、それに対して中小企業はトップダウンで大企業と比較して速い意思決定が可能です。

時間の使い方を効率化する意思があるか

大企業は、仕組み化することで効率化を図ったうえで、自社にノウハウのないことは外注します。

それに対して、中小企業は属人化している割に、ノウハウがないことも自分たちでやろうとしているという違いがあります。

中小企業の方が意思決定は迅速であっても、実行のフェーズで大きく差がつくといえるのではないでしょうか。
だからこそ、中小企業こそ仕組み化や外部の力の活用が必要です。

最後に

採用が難しくなりつつあるご時世ですので、一人ひとりの時間の使い方の重要度がますます高まります。

学校での定期テストを思い出してください。 出題されない範囲は勉強しないはずです。

出題される範囲でも全体を満遍なく勉強するよりも、枝葉の部分よりも重要な点に注力して勉強する方が、同じ時間だけ勉強しても得点が高いはずです。

業務だって同様です。 限られた時間を何に注力するかを考え、重要な点に集中することが成果に影響します。

以上、参考になれば幸いです。

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