中小企業がQC検定を受ける意義

一般財団法人日本規格協会(JSA)は、JIS(日本産業規格)の制定・普及を担う団体です。 国際規格との整合を図りながら、日本企業の品質・安全・効率向上を支援しています。

品質管理や標準化に関する人材育成の観点からQC検定を実施しています。

QC検定は品質管理の基礎から応用までの知識や活用法について、体系的に理解しているかを測るための試験です。

QC検定とは

QC検定は、1級~4級まであり、それぞれのレベル感は以下のようなイメージです。

4級 品質の考え方を理解しているか(入門)
3級 品質管理の基礎知識とQC七つ道具を理解しているか(基礎)
2級 統計的手法を含め、改善活動をリードできるか(応用)
1級 品質保証や統計解析を体系的に理解し、全社的な品質マネジメントに活かせるか(上級)

1級と2級は毎年3月と9月に指定の場所で受験となっていますが、3級と4級はCBT試験となっていますので、任意のタイミングで受験することができます。

あくまでも民間資格であるため、取得したら特別に許認可が与えられるといったものではありませんが、品質に関する体系的な知識を得るにあたって、妥当な資格だといえるでしょう。

製造業以外の品質管理

品質管理というと、製造業以外は関係ないように思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。

サービス業における「接客対応」「クレーム対応」「顧客の待ち時間」なども、すべて提供しているサービスの品質の一部です。

また、卸売業や小売業も、在庫過多、あるいは欠品、商品陳列の不備なども、顧客から見ると品質と捉えられます。

定量的な問題を解決するためのQC七つ道具、定性的な問題を解決するための新QC七つ道具も、ありとあらゆる業種において活用できるツールですので、全業種が学ぶ価値があるといえるでしょう。

誰が取得すべきか

結論から述べると、社内の全員といっても良いぐらいです。

工場長、製造現場のリーダー、製造担当者は言うに及ばず、営業担当者や間接部門といった、一見関係ない部門の方も取得をお勧めします。

品質という共通言語を持てることと、自分たちの業務の品質改善のための問題解決のツールを得ることができることが理由です。

経営者層・管理者層(2級以上)

全社的に品質の向上を推進する立場として、品質管理の知識や考え方を身につけておきたいところです。

また、品質が利益にどのように結びつくのかを理解することで、経営判断にも生かすことができるようになります。

現場担当者(3級~2級)

QC七つ道具、新QC七つ道具を理解することで、製品やサービスの品質のバラつきに対して、自分たちで改善できる知識の習得が期待できます。

特に統計的裏付けをもとに改善を進める立場である、現場のリーダー格の方は2級を目指すと良いでしょう。

営業担当者(3級)

売上データの傾向把握やクレーム対応といったことにQCの知識を活用できますので、感覚的になっていたことを明文化し、社内で共有するといったことができるようになります。

間接部門(3級)

現場の担当者同様に、QC七つ道具、新QC七つ道具を理解することで、間接業務の品質改善に役立つ知識を得ることができます。

最後に

工場での現場作業員数が100人以上いるような製造業であれば、2級取得者が複数いることもあるでしょうが、数十人ぐらいであれば3級取得者もいないといってことも珍しくはありません。

3級は主に知識のみですが、2級になるとt検定やF検定といった統計的手法の知識や計算問題が出題され、急に難易度が上がります。

まずは3級を目指して、必要に応じて2級(さらに挑戦されたい方は1級)に挑戦することで、品質向上を図り、さらに利益につなげていくための力となるでしょう。

まずは、最初の第一歩として、社内全員で3級を目指されてはいかがでしょうか。

以上、参考になれば幸いです。

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