
以前、「AI時代においては、知識のギャップを前提に成立している仕事の価値は、極めて価値が下る」と書きました。
これ自体は間違いないことであるとの確証がありますが、決して知識が無価値になるということではありません。
むしろ、知識は常にインプットし続ける必要があります。
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今後の経営に求められること
現在の我が国は、人口減少が進み、少子高齢化により生産年齢人口(15〜64歳)の割合も低下しています。
そのため、昭和時代、平成前半のような人口が増えることを前提とした経営──言い換えると、今までと同じことを続けることはできません。
また、AIをはじめとするITの発展はさらに加速しており、業務レベルではなく経営レベルでも効果的な利活用が求められるでしょう。
つまり、既存の経営から脱却して、新たな時代の経営スタイルに変化(進化)する必要があります。
そのためには、常に日々の変化を捉え、未来を推測し、どうあるべきか、どうするべきかを考え続ける必要があります。
必然的に、考えるには材料が必要であり、それが知識と経験です。
知識の価値
「知識が豊富」というと、ともすれば衒学的な印象、あるいは、机上の空論を話す人という印象を受けるかもしれません。実際に企業の経営をしていると、頭でっかちの教科書通りのことしか言えないような人には価値を感じないのではないでしょうか。
企業の経営者となると、責任も大きく、またリスクを負う立場であれば、ただの知識だけで経営判断はしづらいと思うのは無理もありません。
では、知識は全く不要かと言われると、どなたもそれは否定するでしょう。
経験の価値
では、経験はどうでしょうか。
過去の経験に基づく判断がいつも妥当であれば、全ての企業が右肩上がりなはずです。 しかし、そうなっていないのは、条件が変わると経験が生かせないということです。
経営環境が変わっているというのは前述した通りですが、条件が変わると過去の経験に基づく経営判断は意味のないものになるばかりか、過去の成功体験が誤った経営判断に繋がるかもしれません。
また、経験のないことを考えるには、経験以外の検討材料、判断材料が必要になります。
知識と経験
繰り返しますが、我々は人口減少といういままで日本人が経験したことのない時代を生きています。経験を伴わない知識には価値がないかもしれませんが、経験もそのまま役に立つとは限りません。
そんな時代の経営には、新たな知識を取り入れつつ、経験によるフィルターを介して経営判断をアップデートする必要があります。あるいは、経験を新たな知識によってアップデートする必要があるとも言えます。要するに、知識も経験もどちらも必要かつ重要であるということです。
そして、その両方を材料にして、新たな時代の、これまでにない状況でどのような判断を下すかを考えることが求められます。
最後に
経営環境が変わる中で、自分が現在持っている知識や経験だけで乗り切れるのであれば問題はありません。 果たして、そのような方がどれだけいるでしょうか。
誰もが、知識と経験をアップデートする必要があります。
経験はコントロールしづらいかもしれませんが、知識は自分の意思でいくらでも学び直すことも、更新することもできます。
どのような知識が必要であるかは業種、業態、立場や状況によって異なりますが、まずは知識の補充をしつつ、経験のアップデートを図り、また実際の経験から必要な知識を補充するという知識と経験のスパイラルアップをされてはいかがでしょうか。
以上、参考になれば幸いです。



