即断・即決・即実行を組織に浸透させる

経営者の方々は、常に大小さまざまな決断を迫られます。
決断が遅いとせっかくのチャンスを逃してしまいかねませんので、即断・即決・即実行を可能な限り実践しているという方も多いのではないでしょうか。

即断・即決・即実行をすることには様々なメリットがありますが、それらを今更ご紹介するまでもないでしょう。
また、デメリットは特にないと考えられます。

可能であれば社内の誰もが、即断・即決・即実行を実践して欲しいはずです。
しかし、自身だけではなく従業員の方々にも実践するように徹底しています、という方はなかなかないかもしせません。

従業員の方々に、即断・即決・即実行をしていただくためにはどうしたら良いかを検討してみたいと思います。
業務の内容や従業員の方々それぞれの性格もあるので、絶対この方法ならうまくいくといった方法は存在しないことをご了承ください。

なぜ即断・即決・即実行ができないか

まずは、即断・即決・即実行を阻害する要因を考えてみたいと思います。
様々な理由があると考えられますが、大きな要因として、人間の脳というのは達成したいと考える目標を立てたら、いかに行動しないかという理由も考え出すということが挙げられます。

例えば、趣味でギターを始めたいと思ったら、

  • 続かなかったらギター代がもったいない
  • うまくならなかったらカッコ悪い
  • 披露する場所もないし
  • 楽器屋に行くのは明日でいいか
  • いや、来週にしよう
  • やっぱり、来月にしよう
  • 今の仕事が落ち着いてから、もう一回検討しよう

……いかがでしょうか。
やらない理由、先延ばしする理由を考えることに関しては、誰もが天賦の才能を遺憾なく発揮します。

このように、言い訳を考えて行動しない現象のことをクリエイティブアボイダンス(creative avoidance)と言うそうです。

やりたいかやりたくないか、すべきか否かといったように判断基準が自分の意思であれば、判断をするための材料を改めて集める必要はありません。
そういったケースであれば、その場で是非の判断ができるはずです。

それでも、判断を先送りにするというのはクリエイティブアボイダンスが起こっているのではないでしょうか。
そして、時間の経過と共にやりたいという思いが弱まり、結局やらなかったということになります。

対策①(時間をかけることで失うものを意識していただく)

従業員の方々に即断・即決・即実行をしていただくためには、判断や実行に時間をかけることで機会を失ってしまうということを常に意識していただく必要があるでしょう。

機会というものが無制限に得られると考えている、あるいは機会というものは常に存在していると思うかと聞いたら、誰もが否定するでしょう。
しかし、判断や行動を先延ばしにするのは、判断や行動の遅れによって機会を失うということを意識していないからだと考えられます。

また、「時間」そのものが一度失うと取り戻すことはできないものです。
その点も、意識していただく必要があるでしょう。

対策②(期限を設ける)

対策として、判断を行う前の「判断を先延ばしにしよう」という意思を介在させないようにするというのが考えられます。
具体的には、時間の制限を設けるということです。

質問に対して即答を要求する、あるいはいつまでに返答するように期限を設ける。
行動開始までの期限を設ける。
行動結果の報告に対して日時を指定する。

このように、時間の制限を設けることで行動を促します。

判断や行動に対して、もっと時間が必要だと返答されることもあるでしょう。
その場合は(言い方には配慮が必要ですが)時間をかけることで品質がどう良くなるのかを確認しても良いのではないでしょうか。

もし、判断するための材料が不足しているといった正当な理由がある場合は、自分で期限を宣言していたいたら宜しいでしょう。

最後に

クリエイティブアボイダンスというものはどうしても起こってしまうのであれば、即断・即決・即実行するための障害が常に発生することになります。
しかし、「判断を先延ばしにする」と「考える」というのは同じではありません。
そこを取り違えると、クリエイティブアボイダンスに対して正当なお墨付きを与えてしまいます。

外部環境が大きく変わる時は、それだけ素早く細やかな対応が求められます。
具体的には、素早く小さく初めて、知見を得てフィードバックということになるでしょうか。

そのためにも、経営者自身だけでなく、従業員の方々全員が即断・即決・即実行する組織に変わる必要があると考えますが、いかがでしょうか。

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