一時的な対策と恒久的な対策

ありたい姿と現状とのギャップが「問題」です。
無視できない問題であれば、解決する必要がありますが、その対策は恒久的に問題点を取り除くことができるものでしょうか?あるいは一時的な対策でしょうか?

ダイエットで考えてみる

問題解決について、分かりやすいようにダイエットに例えます(本記事では体重を減らすことをダイエットと定義します)。

一日三食の内の一食を、スムージー、リンゴ、アンパンといったものに置き換えて摂取カロリーを減らすダイエット方法を聞いたことある方も多いのではないでしょうか。
何に置き換えるにしても、一食分を置き換えることで体重が減るわけですから、元の食生活にすることでリバウンドしてしまいます。
つまり、恒久的なダイエット方法とは言い難いと言えます。

ダイエットに関することはインターネット上に多くの詳細な情報がありますので割愛しますが、基本的に摂取カロリーより消費カロリーが高い状態にすることで、蓄積された脂肪を消費することだといえます。

今後の人生においても、三食の内の一食をずっと同じものを食べ続けることができるのであれば、続けることができ、ダイエット効果を得続けることができるでしょう。
しかし、そういったことは無理ですので、一時的に体重を落とす手段にしかなりえません。

ちなみに、置き換えをしている期間中の摂取カロリーは減るかもしれませんが、栄養のバランスが崩れて体調の悪化や筋肉の減少による基礎代謝の低下しています。
止めたらリバウンドをしてしまい、以前よりも体重が増えることになるでしょう。

つまり、置き換えダイエットは、長期的に考えると何の対策にもなっていないどころか、かえってマイナスになってしまうということです。

なぜ一時的な対策しかできないのか

なぜこういったダイエット方法が世の中に溢れているかというと、2つの理由が考えられます。
一つは、楽して痩せたいといった欲求を持っているから。
もう一つは、ダイエットというものに対して、論理的に考えないで手法ばかりに目が行きがちだからではないでしょうか。

「一時的であれば実行可能である」ということを言い換えると「ずっと続けられない」ということです。
一時的に対策ができれば良いということであれば選択肢になり得るかもしれませんが、恒久的に対策するということであれば不適切です。

これが事業であれば、目先の対策に目が行ってしまって、根本的な原因を取り除くことができないといったことになります。

売上を上げたいということで考えてみましょう。
競合との差別化がされていない状態で、プロモーションで競合に勝とうというのは、既存の競争ルールの中で目先の対策だといえます。
ビジネスモデルを変えることで競争から抜け出るといった、抜本的な施策が恒久的な対策といえるでしょう。

30km離れた場所に1時間で行かなくてはいけないとなったらどうやって行きますか?
全速力で走ったら30km/hで走れるとしても、1時間全速力で走るなんてことはしないはず……というよりもできません。
走る以外の、確実性の高い何らかの移動手段を考えるはずです。

目先の対策が求められる場面があることは否定できませんが、目先の対策をずっとやり続けて、成果を上げ続けるというのは現実的ではありません。

最後に

再び例え話です。

咳が止まらないとします。
病院に行けば、咳を止める薬を処方してくれるかもしれませんが、医者はなぜ咳が出ているのかという原因を調べて根治をしようとするはずです。
単に咳だけを止めただけで、原因を取り除かれなければ、症状がぶり返したり、他の症状が出てくるだけです。

一時的な対策を取れば取りあえずOKだということであれば別ですが、問題点を解決しようと思ったら、恒久的に問題点を取り除くことができる対策を取る必要があります。

参考になれば幸いです。

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