データに見る差別化のメリット

商品やサービスは競合のものと差別化されている必要があります。
それらがコモディティ化していると、買い手からすれば得られるベネフィットに差がないため、コストのプライオリティが高くなる、つまり価格が選択基準になるため価格勝負になってしまうからです。

2024年版中小企業白書に関連したデータが掲載されていますので、確認していきましょう。

差別化と価格

人件費やエネルギーコストが上がってしまうとその分を製品価格に反映させる必要があります。

2024年版中小企業白書によると、競合と差別化できている企業ほどコスト変動分の価格反映状況(競合他社との差別化状況別)において良好な結果を得やすいデータが掲載されています。

参考:コスト変動分の価格反映状況(競合他社との差別化状況別)

「すべて反映された(100%反映)」「概ね反映された(99%~81%反映)」を価格への反映だと評価すると、大いに差別化できている企業は、過半数がコスト変動分を価格に反映できたと回答しています。
それに対して、全く差別化できていない企業は21.7%です。

前述したように差別化されていないと、価格の安さが買い手に選ばれる理由になるため、価格を上げるというのは難しいことが伺えます。

差別化と採用

我が国は少子高齢化が進んでいます。
そのため、人材を採用したくても、中途採用や新卒採用を問わず、そもそも応募自体がない、応募が少ないというのが中小企業の現状です。

しかし、人材採用に関しても他社との差別化ができている企業ほど、中核人材、業務人材共に応募があるという状況です。

参考:中核人材・業務人材の応募状況(製品・サービスの差別化度合い別)

それに対して差別化ができていないほど、応募状況が芳しくなくなります。

最後に

人口増加や経済発展をしていた時代は需要が供給を上回っていたため、作れば売れていたのかもしれません。

しかし、現在は人口が減少傾向で、経済成長も緩やかになり、供給が需要を上回る時代です。 そのため、競合と同じことをしていては生き残っていくことはできません。

商品・サービスを差別化することで、販売価格だけではなく、人材採用においても有益である点は大いに注目すべきことではないでしょうか。

以上、参考になれば幸いです。

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