売上の向上(商品の価格)

一般的に売上は客数×客単価だとされています。
さらに、客数は「新規顧客」「既存顧客」、客単価は「商品単価」「購買点数」「購買頻度」といったように、さらに細かく分解することができます。

今回は、売上を向上するために、商品単価の向上について考えたいと思います。

商品単価と他の要素の違い

さて、売上を向上するためにはどうしたら良いか?ということを考えるにあたって、上に挙げたように売上を分解して、

  • 新規顧客の獲得策
  • 既存顧客の増加策・維持策
  • 商品単価の向上策
  • 購買点数の増加策
  • 購買頻度の増加策

といったように考えるのがセオリーかと思われます。

これらは、

  • 新規顧客の獲得策
  • 既存顧客の増加策・維持策
  • 購買点数の増加策
  • 購買頻度の増加策

と、

  • 商品単価の向上策

の2つに分けることができます。

前者の4つは、買い手側の意思や都合によるところが大きいものです。

例えば、家族3人で飛行機に乗るのであれば、売り手側が可能な限りたくさん売りたいと思っていても、通常は3人分のチケットしか買わないでしょう。
同様に、新たに顧客となるかどうか、今後も顧客でいるかどうか、どのぐらいの頻度で買うかについて、最終的に決定するのは買い手側です。

それに対して、価格には他の4つよりも売り手の意思を反映させやすくなります。

しかし、売り手が価格を決定しやすい商品・サービスとそうでない商品・サービスがあります。

価格が決まる位置

どのようなものが、売り手側が自由に値付けをしやすい商品・サービスであるかを考える前に、商品・サービスの価格はどのように決まるのかを考えてみたいと思います。

売り手側は商品・サービスを提供して利益を出す必要がありますので、基本的に「これ以上でないと売れない金額」で販売したいと考えます。
それに対して、買い手側には諸々の事情があって、「これ以上は払えない金額」があります。
そして、価格というのは、売り手の考える「これ以上でないと売れない金額」と買い手の考える「これ以上は払えない金額」の間で決まります。

売り手側の「これ以上でないと売れない金額」は主に原価や経費を鑑みて算出すると考えられますが、買い手のこれ以上は払えない金額を決める要因は多岐にわたります。

特に商品・サービスに対する需要に対する供給度(希少性)は大きな影響を与えます。
欲しいと思われていても、手に入りにくいものは価格が高くなるということになります。

自由に値付けしやすいもの、しづらいもの

自由に値付けしやすいものは、コモディティ化していないものです。
逆に、自由に値付けしづらいものは、コモディティ化しているものだと言えます。

コモディティ化していないもの、言い換えると差別化されているものはそうでないものよりも自由に値付けしやすくなります。
特定の買い手に対して、競合商品・サービスよりも高い付加価値を提供することができれば、その分の対価を払おうというインセンティブが働きやすくなります。
これは、安価な商品・サービスよりも高価な商品・サービスに方が顕著ですし、事業者向けよりも消費者向けの方が顕著です。

コモディティ化しているものの場合は、大体の相場がありますので、あまり高い値段を設定しづらくなります。
むしろ、買い手側が競合の商品・サービスと比較するために、価格競争になりがちで、その結果、売り手が設定したい価格よりも低い価格を設定せざるを得ないといったことになってしまいます。

最後に

事業をしている中で、様々な費用が発生します。
企業が成長、維持していくためには、原価、販管費、負債の返済、利息、税金、その他の費用を支払ったうえで、キャッシュを残さなければいけません。
そのためには、費用以上の売上高が必要になります。

売上は客数×客単価だとは最初に書いた通りですが、それらを分解したうえでまずは自社がコントロールしにくいものよりも、コントロールできるものから改善していくのが結果に結びつきやすいのではないでしょうか。

そのためにも、競合や買い手側といった他社が価格を決める商品・サービスよりも、競合のものと比較して、独自性と高い付加価値を持った自分が価格を決めやすい商品・サービスを取り扱うことが求められると考えられますが、いかがでしょうか。

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