ブルシット・ジョブ

ブルシット・ジョブという言葉をご存知でしょうか?
「bullshit」とはたわ言、でたらめのような意味になるスラングですが、それに仕事を意味する「job」がついています。

ブルシット・ジョブとは、アメリカの学者デヴィッド・グレーバーが提唱している理論で、一言で言えば「クソどうでもいい仕事」ということであり、正確な定義として「被雇用者本人でさえ、その存在を正当化しがたいほど、完璧に無意味で、不必要で、有害でもある有償の雇用の形態である。とはいえ、その雇用条件の一環として、本人は、そうではないと取り繕わなければならないように感じている。」としています。

クソどうでもいい仕事の例

以前にも「業務効率化のためになくすべきもの」でハンコについて書きましたが、付加価値向上につながらない業務はまさにクソどうでもいい仕事と言えます。

内容も見ないで押してもらうだけの印鑑、やることが目的になっている会議、業務を作ることが目的でつくられた業務……付加価値を生まない、あるいは付加価値の向上につながらない業務はないでしょうか。

クソどうでもいい仕事を生み出す例

また、目標達成の確度のために、あるいは効率的な管理のために数値による管理をしている企業も多いかと思います。
しかし、目標設定に妥当性がなく、従業員の方々が無意味な目標に向かって頑張っているといったことはないでしょうか。

例えば、工場の機械の稼働率を目標にすることが果たして効率的な生産につながるか……というと、かえって非効率になる、収益が低下するといったことになりかねません。
この件に関してはイスラエルの学者エリヤフ・ゴールドラットの著書である『ザ・ゴール』に詳しく書かれているので、読まれたこともある方も多いのではないでしょうか。

最後に

能動的なのか、やらされているのかは問わず、クソどうでもいい仕事やっていませんか。

人が余って仕方がなく、会社が儲かって余裕があるというのであればともかく、少子高齢化で労働人口が減少傾向にあり、労働力の確保が難しくなる中でクソどうでもいい仕事をやっている余裕は今後ますますなくなって行きます。
効率化を望みながら、その一方でクソどうでもいい仕事をやっているのは穴の開いたバケツに水を貯めようとするようなものです。

クソどうでもいい仕事をやっていないか、従業員の方々と一緒に考えてみませんか?

おまけ

ブルシット・ジョブに興味を持たれた方のためにデヴィッド・グレーバーの著書をご紹介させていただきます。

また、有料サイトではありますが、ブルシット・ジョブ理論に対して、データに裏打ちされたものではないという反論もありますので、併せてご紹介いたします。

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