業務効率化のためになくすべきもの

誰もが効率的に仕事をしたいと考えているはずです。
例えば、業務でPC、インターネットなどを活用しているのはそのためです。

書類作成から相手に届くまでのリードタイムを比較した場合、書類を手書きして、郵送やバイク便で送付するよりも、(例えば)Wordで作った書類をメールで送る方がリードタイムは圧倒的に短いはずです。

このように、業務効率の改善のために誰もが当たり前に取り組んでいる一方で、業務の効率を下げるだけなのにずっと続けているものについて、ゼロベースで見直してみませんか。

ハンコはやめませんか

2020年4月~5月にかけて、新型コロナウィルス(COVID-19)対策の一環で緊急事態宣言が発令され、その際にリモートワークを行った企業も多数あったことだと思われます。
せっかくリモートワークを行っているにも関わらず、業務上のハンコをもらうためだけに出社するという話を見聞きした、あるいは経験された方も多いのではないでしょうか。

100円ショップで誰でも買える三文判を押すことで何を証明しているのでしょうか。
電子印鑑にいたっては、誰でもどんな名前のハンコでも作ることができます。
このように企業活動の中にも、ただの慣習で押印をしているだけなので、やめてしまっても良い押印があるはずです。

「あってもなくても影響がないもののために業務において無駄な時間が発生している」と言われると、すぐになくそうと思うはずです。
その代表がハンコです。

行政改革の一環として、河野太郎行革担当大臣の鶴の一声で不要な押印を止めようということになりましたが、行政手続き上の押印の99%以上の押印は廃止できるそうです。
企業の業務において、廃止できる押印も多いのではないでしょうか。

契約書の割り印のように、偽装を防止する目的といった使い方であれば、今後も存続する意味があるかもしれません。
押印する合理的な理由がなく、ただの慣習ならこの機会にハンコをやめてしまいませんか。

FAXはやめませんか

Wordで作成した資料を印刷してFAXで送ってきたというのはデザイナーあるあるですが、他の業界でも同様のことはないでしょうか。

送る側が手書きしたもの、あるいはキーボードから入力したものをプリントしてFAXで送信、受信した側がそれを見て入力する……、時間はかかるし、ミスも起こる可能性があります。

データやファイルをメールやチャットツールのような電磁的方法で送付すれば、受け取った側もデータやファイルをすぐに取り込む、あるいはコピー&ペーストで作業完了します。

また、電磁的方法であれば、元のデータの保管ができますし、お互いのやりとりの記録も自動的に行えます。
FAXであれば、印字された紙そのものを保管する必要がありますし、やりとりの記録が必要ならなんらかの方法で別途行う必要があります。

セキュリティーの問題でメールが使用できないといったケースなら仕方がないですが、企業同士のやり取りにおいて、電磁的方法よりも利便性が低いのであれば、この機会にFAXをやめてしまいませんか。

電話はやめませんか

打ち合わせ中や車の運転をしているといったように、電話に出るのに都合が悪いタイミングで電話がかかってきた経験はどなたもお持ちのはずです。
また、何かの作業をしていて、集中したいタイミングで電話がかかってきてイラっとした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

電話はお互い話ができる状況でなければ、使用しづらい手段です。
また、大抵の場合は業務上の電話のやり取りを記録することもないと思われます。
言った言わないということも電話だと発生する可能性があります。

余談ですが、10数年前に広告代理店に勤務していた時の話です。
FAXを送信したら、相手に電話をかけてFAXが届いたかどうか確認するという社内のルールがありました。
これは自分が確認(安心)したいがために、強制的に相手の作業を一時中断させ、相手の集中力を途切れさせたうえで相手の時間を奪う、非常に自分本位な行動だと言えるでしょう。

それに対してメールやチャットツール、SNSであれば、相手は自分のタイミングで閲覧、返信を行うことができるため、電話と比較すると相手にとって負担の小さい手段です。
また、文字として記録が残ります。

実際の業務において、緊急の手段として電話が必要な場面は存在します。
ですが、メールやチャットツール、SNSで済むのであれば、電話よりもそちらを優先させませんか。

紙での保管はやめませんか

押印やFAXの紙にも通じる点ですが、印刷して紙で保管するということも業務効率を妨げる原因になります。

WordファイルやExcelファイル、あるいはpdfといったファイルにしてしまえば、検索性も高まります。
また、データであれば持ち歩いたり、外出先でも参照することが容易になります。
その他、紙と違ってデータは劣化することがありません。
保管のための物理的な場所が不要ですし、それによって保管にかかるコストがなくなります。

電子帳簿保存法や電子文書法(e-文書法)といった法律の整備から、国もペーパーレスを推進しています。
日常業務の中で度々確認する必要があるものや法律上原本による管理が義務付けされているものならともかく、単なる保管目的で内容が変更されないものであれば、紙での保管をやめてデジタル化しませんか。

最後に

「業務を非効率にしていることがあれば取り除きたいですか?」と言われると、誰もが肯定するのではないでしょうか。

にもかかわらず、大抵の企業において非効率化の原因になっているハンコ、FAX、電話、紙での保管はなかなかなくなりません。
これらが他の手段と比較して、総合的に優位性を持つというのであれば話は別ですが、実際はそういう訳ではないでしょう。

少子高齢化で労働力の確保が難しくなっている中で、今後はより効率的な業務が求められます。
「世の中が変わっている中で、いかに現状(のやり方)を維持するか」ではなく、「世の中の変化にいかに対応していくか」が経営において求められるはずです。
つまり、世の中が変わっている以上、常に企業は変わっていく必要があるということになります。

ハンコ、FAX、電話、紙での保管というのは、業務効率を悪化させる例の内の一部です。
企業によっては、他にもあると考えられます。

新しいことを始めるのは大変ですが、やめることはそれよりも楽に行うことができるはずです。
まずは業務を非効率にしているものをなくしていきましょう。