ミスやトラブルの原因を考える際の認知バイアス

ビジネスにおいて、ミスやトラブルを完全になくすことはできません。
大事なのは致命的なトラブルが起こらないようにすることと、一度起こったミスやトラブルを繰り返さないようにすることではないでしょうか。
そのためには、ミスやトラブルの原因を正しく認識する必要があります。

以前、ミスやトラブルを再発させない方法として「原因を探るなぜなぜ分析」という記事で手法をご紹介しました。
しかし、どのような手法であったとしても、認知バイアスによって正しく認識されないようなことがあると、あまり意味がありません。

正しい認識の阻害要因になる基本的帰属錯誤と自己奉仕バイアスについてご紹介いたします。

基本的帰属錯誤

基本的帰属錯誤とは、外部の要因ではなく、内部要因の方を大きく見積もってしまうことです。

例えば、ターゲット企業に営業を行った結果、失注してしまったとします。
そういう場合、提案内容が悪かった、提案の仕方がマズかったといったように、営業担当者のせいにしがちではないでしょうか。

提案内容は悪くなかったものの、タイミングが悪かっただけといった相手の都合で受注できないことも考えられるはずです。
しかし、そういった外部の可能性ではなく、営業担当者のみに原因を求めることが基本的帰属錯誤です。

自己奉仕バイアス

成功した時は自分の実力だと考え、失敗したときは自分ではどうしようもない外的要因によるものだとする考え方です。

例えは、コンペを行って受注ができた際には自分の実力が競合よりも上回っていたからだと考えるものの、コンペに負けてしまったら、政治的な要因で公平に判断されていないといったように、他社に原因を帰属させるといったことです。

人間は誰しも成功は自分の手柄と考えるものの、失敗の責任を取らない傾向にあるかと思われますが、それは自己奉仕バイアスによると考えられるでしょう。

原因を正しく認識するために

基本的帰属錯誤と自己奉仕バイアスは矛盾していないかと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれ主語が異なります。
ミスやトラブルが起こった際に、当人は環境が悪いと考えがちであり、周囲の人は当人に原因があると考えがちということになります。

つまり、原因を誰に聞くかによって答えの傾向があるということですので、第三者によるの評価も必ずしも客観的で適切ではない可能性があるといえそうです。
これらの点を考慮しなくてはミスやトラブルの原因を客観的に認識することが難しいといえるでしょう。

最後に

ミスやトラブルの原因を客観的に認識できないと、今後も同様のことを繰り返す可能性があります。
なぜなぜ5回といったような手法はいくつかありますが、基本的帰属錯誤と自己奉仕バイアスという認知バイアスによって、客観的に認識できていない可能性があります。

そういった認知バイアスがあると分かっているだけでも、客観性は向上すると考えられますので、ミスやトラブルの原因を探る際には基本的帰属錯誤と自己奉仕バイアスについて留意されてはいかがでしょうか。